フランスのハープ奏者・作曲家。敬虔で禁欲的な信仰心のうちに、清貧に甘んじて過ごしたが、女性の社会進出がまだ受け入れられなかった時代にあって、自立し成功した女性芸術家の先駆者となった。十代の頃から弟子をとり、独自のハープ指導法を確立した名教師としても知られ、直接指導した著名な門弟にカルロス・サルツェードやマルセル・グランジャニー、ハーポ・マルクス、スーザン・マクドナルドらがいる。第二次大戦中は、演奏機会が減ったこともあって、出版社の要望に応じて、「ハープ奏法」の執筆に傾注した。この著書は、後にグランジャニーやディリング、マクドナルドら主要なハープ奏者によって教材に採用され、世界中の音楽学校に伝播して行った。代表的な曲に、「伝説」「いたずら小鬼の踊り」「バラード」などがある。