お知らせ

News

草加でエレクトリックハープ~SANAEインタビュー

インタビュー

※この記事はハープライフWEBから転載しています。

国際ハープフェスティバル2023-草加市のスポットコンサートとして、2023年10月29日に、文教大学東京あだちキャンパスで開催された「はなはた文教マルシェ」のはなはたステージで、SANAE(エレクトリックハープ)と星野沙織(エレクトリックヴァイオリン)の共演が実現した。今後、アコースティック楽器のエレクトリック化は、ジャンルの拡張・他楽器との共演などの観点から、エレクトリックの普及は無視できないトレンドになりつつある。今回、いわば先駆者の二人が共演ということで、コンサート終了したばかりのSANAEにインタビューを試みた。

ー今回、草加の伝統あるハープフェスティバルのスポットコンサートで、エレクトリックハープで出演されましたね。

はい、今年は埼玉県草加市の「音楽都市宣言」30周年、草加市で毎年開催されている国際ハープフェスティバルは35周年という節目の年で、フェスティバル開催されて以来初のエレクトリックハープでのポップスコンサートに出演させていただきました。

ー会場の反応は、いかがでしたか?

会場は想像以上にものすごくたくさんのお客様で溢れていまして、初めてエレクトリックハープを聴いたという方が殆どでした。「こんな曲や、こんな音も出るんだ」と興味を持っていただいたお客様も多くいらっしゃいました。お客様をはじめ、草加市長、草加市役所や草加市文化会館など多くの方から、今までのアコースティックのコンサートとは違った雰囲気でとても良かったとご好評いただけて嬉しいです。

ー今回は、どのようなプログラムを演奏されましたか?

私たちのステージは30分とのことでした。共演を快諾してくださった星野沙織さんがエレクトリックヴァイオリンも演奏されるので、エレクトリックハープとのデュオで、エレクトリックの良さを活かしつつ、新しいイメージのステージで、お子様からご年配の方まで楽しめる多彩なプログラムを短い30分の中で組み立てました。オープニングに耳馴染みのあるアニメ新世紀エヴァンゲリオンの「残酷な天使のテーゼ」、そして最近のヒット曲Adoさんの「うっせえわ」、この2曲はエレキギターのような音でインパクトを出し、次にディズニーのリトルマーメイドより「アンダー・ザ・シー」で可愛いディズニーの世界の音作りの曲を演奏、そのあとはしっとりした雰囲気を演出したかったので、4曲目は共演のヴァイオリニスト星野沙織さんの曲で「十六夜」、そして割とオーソドックスなエレクトリックハープの音色に戻りジャズの名曲「テイク・ファイヴ」、最後にポップな音色と雰囲気で「君の瞳に恋してる」で締めくくりました。アンコールを頂けたので、最後はABBAの「ダンシング・クイーン」でポップに、お客様は皆さん手拍子してくださり、盛り上がって終演しました。

ー今回は、エレクトリックヴァイオリンの星野沙織さんとも共演されましたね。何か感想を伺ってますか?

はい、星野沙織さんから、このようなお話を聞いています。
「SANAEさんから今回のお話をいただきました時、なんて革新的な試みだろうとびっくりしましたと共に、このように挑戦的で面白い企画に参加できる事を大変嬉しく思いました。エレクトリックヴァイオリンは昨今、国内の普及率が高くなり知名度も上がって参りましたし、エレクトリックヴァイオリン専門のプレイヤーも増えて参りました。ですが、今回のようなエレクトリックハープとのデュオというのはおそらく、国内初の編成&演奏だったのではないでしょうか。私は今回初めてエレクトリックハープと共演したのですが、リハの前は「ハープにエフェクターが綺麗に乗るのか…?」とちょっと危惧しておりました。でもそんな心配は全く必要無くて、ひずみやリバーブなどが美しくかかっておりました。SANAEさんが音作りを丁寧になさっていた賜物かと思います。SANAEさんが色々な音色を作ってきてくださったおかげで、私も色々と普段出さない音を作ってチャレンジさせて頂きました。また、後々になって「ぜひ行きたかったがタイミングが合わず大変残念だった」というお声も頂戴しました。クラシカルな楽器はどうしてもお堅く見られがちですし、逆に王道から外れているとチャラチャラして見えたりと、なかなか新しい事を始めるには覚悟がいるのではないかなと思います。そんな中で今回の試みは、「これからのハープシーンはどうなっていくんだろう、どんな顔をみせてくれるのだろう」と感じさせてくれる、とても素敵でワクワクするものだったと個人的には思っています」とのことでした。エレクトリックという新しいハープの魅力を少しお届けできて、私も嬉しいです。

 居合わせた観客の声にもあったように、「こんな曲や、こんな音も出るんだ」というのが本音だと思うが、プログラムからも分かるように、もはやポップス、アニソン、ジャズに及び、ニーズに合わせて、ジャンルやサウンド、そして楽器そのものも変革されてゆく必然のようなものを感じ取れた。草加にエレクトリックハープ。時代もここまで来た。

もどる