※この記事はハープライフWEBから転載しています。
「小児は白き糸のごとし」という。子供は白い糸のようなもので、環境でいかようにも鮮やかに染まる。今年も、6月に楽器の日がやってくる。「芸事の稽古は、6歳の6月6日から始めるのが良い」というならわしに由来し、また指で折って数を数えると、ちょうど6の時に小指が立つことから、「子が立つ」縁起のよい日とされているからだ。折も折、まさに子供はもちろん大人も、これから習うにはうってつけな楽器がある。いま話題のクリスハープである。
小型のハープなのだが、銀座十字屋がプロデュースした本格的な人気ハープで、発売以来、たびたび品切れ状態が起きている。同社が一人でも多くの方へ、ハープという楽器の良さを伝えたいと開発されたものだ。ハンディで持ち運びができる上、7色のカラーバリエーションがあり、また付帯のストラップをつけて立ちながら演奏ができるハープというのがなんとも画期的だ。
小さいとはいえ、そこはハープ。やはり、弾きこなすには「習うより、慣れろ」というわけにはいかない。白い糸を鮮やかに染めあげる人が必要だ。そこで、とりわけジュニア育成で最近、銀座十字屋で話題のハープ講師、月間加奈さんに生徒を上達に導くプロセスを聞いた。話を聞く中で最も響いたキーワードは、「音に親しむ」というフレーズだった。「ハープである以上、構えた時の手の形。これは絶対に必須なのですが、それよりも前に、ハープの音にまずは慣れ親しんで頂くということに気を付けています」との言葉。何しろ他の楽器は、音を出すまでに一苦労という例が多々ある。確かにハープの特性として、爪弾くだけで誰でも美しい音が出せる。月間さんは、きれいな音が出せたときの感動をいかに長く保持させて、個々の目標・目的に落とし込むか、という流れを重視しているようだ。「子供に限ったことではなく、きれいな音が出れば、次は曲が弾いてみたいとか、発表会で聴衆の前で弾いてみたいとか、各自の目的が出てきます。今度は、それを達成するために、細かく目標セッティングします。講師とすれば、各自の想いにいかに寄り添うかが大切だと思っています」。具体的には、月間さんが監修の一部で参加している、「クリスハープ マジカルマスターブック」にも詳しい。グリッサンドの効果的なセッティングや簡単な曲が弾けてしまう構成は、まさに「音に親しむ」工夫の一部が公開されている。銀座十字屋ハープ&フルートサロン、同社開催のイベント、最寄りのハープ教室等から入手できるので、ぜひ一読してみてほしい。
これらの“秘訣”は、恐らくどの講師も実践している王道なのかもしれないが、彼女の人気の秘密は、自身でも述べていた「いかに生徒に寄り添うか」の深度にあるのではないか。実際、おたまじゃくしに弱い、目的だけは取りあえず決まっているが演奏はからっきし・・・という向きでも、弾けてしまうのだから。月間さんは、その熱意と工夫できっとゴールへ導いてくれるだろう。近づく楽器の日。これを機に、あなたもぜひクリスハープを手にして、月間さんのレッスンを銀座十字屋で受講してみたらどうだろう。きっと、世界観が変わること請け合いだ。